今日は天狗の手です。
膝の仕組みの続きです。前回までは膝の外側の仕組み、内側の仕組みを学びました。
本日は裏側です。
膝の裏側には膝窩筋(しっかきん)という小さな筋肉が付いています。
この筋肉には特別な仕事があります。
膝は伸びている状態の時、伸びたまま鍵がかかっています。これを膝がロックされた状態と言います。
ロック時では膝が安定してしまっている状態になります。だからこそ私たちは長時間立つことができます。
膝窩筋は膝を曲げる際、伸ばしている時にかかったロックを外す「鍵」の仕事があります。
膝窩筋は関節包に直接接触しているため、この周辺で筋膜の癒着が起きると膝窩筋だけでなく関節包も固くなり、膝関節がスムーズに動かなくなります。
しかも、関節には血液の循環を促すためのリンパ節が密集しています。
関節包が固まるとひざ下の血液の循環も悪くなり、ふくらはぎがむくんだりつったりするようになります。
こんな経験はないでしょうか。
車やバスでの長距離移動ではそうでもないが、飛行機に乗ると足がむくんだりつりやすい。
これは高所での気圧の関係で、膝の関節包が固く滑液が十分に分泌されていないため、高所で膝関節が圧迫されて関節内にあるリンパや血管などの循環器の働きが悪くなるからです。
むくむたびにふくらはぎをほぐすのではなく、そもそもの原因である膝関節を正常な状態に戻さなければ、むくむ→マッサージ→むくむ→マッサージのいたちごっこで根本的な解決にはなりません。
飛行機での移動が多い出張者の皆様、下肢の筋膜をリリースし、膝の関節包を調整してむくまない脚作りを行いましょう。